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「あとがき」 [お知らせ]

おはようございます。

のっけから質問ですが、みなさんは「あとがき」を順番通りに読む派、それとも「あとがき」を先に読む派どちらですか?

わたしは「あとがき」は、本文を読んでから読む派です。グイン・サーガでもそうでした。いや、何冊か例外はありますが。「あとがき」をジックリよむのは、余韻にひたったりコーフンを鎮めるためもありましたが、まったく逆の作用になってしまったこともあったりそれはそれで懐かしい思い出であります。

いつでしたか栗本先生は「あとがき」で、グイン・サーガはあとがきだけで千枚を越えるなぁ、と書いてらしたことがありましたね。そう考えると、やはりとんでもない作品だと、今さらですが身にしみます。

栗本薫先生のグイン・サーガの「あとがき」で、記憶につよく残っているのはやはり第一巻「豹頭の仮面」の「あとがき」なのです。
ヒロイック・ファンタジー——それは、本質的に《夜》に属する物語である。夜と闇、呪文といかがわしい黒魔術、淫祠邪教と病んだ魂とに。
この一文が好きすぎて、自作「サイロンの挽歌」のあとがきに引用させていただきました。
すき、とライトにいってよいのか、小暗くいかがわしい闇に属する嗜好をみたされたわけなのですが。これはハワードのコナン・シリーズや、エルリックの白子のサーガ、シャンブロウに代表されるムーアの一連の作品を読んだときから、底流のようにながれを感じとったものでした。淫祠邪教の祭壇に捧げられる生け贄の悲鳴絶叫、断末魔の苦鳴、犠牲者の絶望——絶望。闇をいっそう昏くする、人の心がうみだす闇。ヒロイック・ファンタジーを読みだした初期、その闇の深さ、底知れなさ、謎──に立ちすくみ、当惑させられながらも、忘れられなくなった、魅了されたものです。

などと、朝っぱらから、昏い回顧にひたってしまうのは、ようやく「売国妃シルヴィア」を脱稿いたしました。遅れてすいません(小声)
この後ゲラをやって、そのあと苦手な「あとがき」を書きあげれば、なんとか、秋ごろにはお届けできるのではないかと思っています。

外は大雨。朝から昏かったのですが、今ようやく薄日がさしてきたかなという感じです。
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コメント 2

chun

「売国妃シルヴィア」を脱稿 おめでとうございます。
なんだか 嬉しいです。
秋ごろの発売。楽しみにしています。

われわれ読者からしてみると、こころから、書きついでいただけることに感謝の気持ちでいっぱいなのです。
ありがとうございます。
なんだか、続編が出来る思うだけで、毎日が頑張れるから不思議なものですね。

絶望と人の心が生み出す闇の世界。
いい表現ですね。
なんかわくわくします。

季節の変わり目、身体を壊しやすい季節です。
どうかご自愛くださいね
by chun (2014-07-13 00:41) 

宵野ゆめ

chunさま

ありがとうございます。
みなさまの胸にあるイメージとどれぐらい合うのか、外れるか、毎回どきどきなのですが、精一杯「自分のグイン」を描きだしました。


>絶望と人の心が生み出す闇の世界。
この絶望とは、物語世界を覆う闇と、リアルの闇、それを橋渡しする書き手の心の闇が影響しあった結果のように思うのです。
かつて中島梓先生は、小説教室の生徒たちに、「絶望が足りない。創作を志す者はもっと絶望しなければならない」とおっしゃいました。今回の、「売国妃シルヴィア」を書きながら、この言葉が何度も頭をよぎりました。
ヒロイック・ファンタジーとは、主人公がぎりぎりまで死に、絶望に近づいて、そこから還ってくるための物語です。つねに死と再生がとなりあっているような・・。
などと、昏いことばかりつぶやく書き手ですが、今後もよろしくお願いします。すこし、すこうしだけ行く手に光も感じておりますので。ぺこり。





by 宵野ゆめ (2014-07-13 23:11) 

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